平成23年7月28日
九都県市報告
環境問題への取組が重視されている中、大気環境を更に改善するためには、行政による厳しい排出ガス規制の実施及び当該規制に応える企業の製品開発が、大きな役割を担っている。
しかし、今回、排出ガス規制には適合していたが、排出ガス規制で定められた試験条件と異なる走行条件では、排出ガス低減性能を無効化する機能(以下「無効化機能」という。)が作動し、実際の走行時には窒素酸化物の排出量が増加する自動車が発見された。
「無効化機能」は、米国や欧州において「ディフィート・デバイス」と呼ばれ、反社会的な行為として明確に禁止規定が定められており、違反により多額の罰金が課せられた事例もある。
一方、我が国においては「無効化機能」の付加について禁止規定が明文化されておらず、今回のように、排出ガス規制の主旨から外れたものを抑止できるものとなっていない。
このような状態を放置すれば、自動車排出ガスに起因する環境の悪化を防止することが困難となるばかりでなく、我が国の自動車産業界の国際的な信頼を損なうことにもつながりかねない。
九都県市は、「無効化機能」を有する自動車を排除し、国において早急に法令等の整備をするよう下記の事項について強く要請する。
記
平成23年7月28日
環境大臣 江田 五月 殿
国土交通大臣 大畠 章宏 殿
九都県市首脳会議
座長 川崎市長 阿部 孝夫
埼玉県知事 上田 清司
千葉県知事 森田 健作
東京都知事 石原 慎太郎
神奈川県知事 黒岩 祐治
横浜市長 林 文子
千葉市長 熊谷 俊人
さいたま市長 清水 勇人
相模原市長 加山 俊夫
〔問い合わせ〕
九都県市首脳会議環境問題対策委員会大気保全専門部会
事務局
川崎市環境局環境対策部交通環境対策課