日本では、1960年代から1970年代にかけて工場・事業場から大量の硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、ばいじん等が排出され、工業地帯を中心として著しい大気汚染が発生し、公害問題になりました。
その後、こうした産業公害型の大気汚染については、工場・事業場に対する大気汚染物質の排出規制の実施などにより着実な改善が見られました。
しかし、1970年代後半から大都市地域を中心に自動車の交通量が急増し、都市・生活型の大気汚染が問題になってきました。特に、ディーゼル車から多く排出される窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)による大気汚染が問題となりました。
NOx及びPMについては、国による自動車排出ガス規制や、九都県市によるディーゼル車対策等により、SOxについては、燃料規制により大幅な低減が図られ、環境基準が達成できる状況まで大気環境が改善されています。
一方、光化学オキシダントは、環境基準の達成が難しい状況が続いており、PM2.5については、一部の地域で、環境基準が非達成となっています。そのため、工場、自動車等から排出される揮発性有機化合物(VOC)や窒素酸化物(NOx)等の原因物質の低減などの対策が必要です。