現在、タンクローリーからガソリンスタンドにガソリンを荷卸しする際に生じるガソリンベーパーについては、九都県市を始めとする都市部の自治体を中心に、条例に基づいて対策が実施されています。今後は、これに加えて給油時と駐車時における排出対策が全国的に進められます。
欧州やアジア諸国では、自動車への給油時に給油口から大気中へ放出されるガソリンベーパーを給油機で吸引し、地下タンク内に回収するという対策(この対策は「StageⅡ」と呼ばれています)が行われているのに対し、日本ではほとんど行われていません。国では、今後StageⅡに対応した給油機の導入を促進することとしています。
StageⅡ対応型給油機のイメージ
駐車時には、外気温の変化に伴って燃料タンク内の圧力が変動します。圧力がある値を超えるとバルブが開き、燃料タンク内に充満したガソリンベーパーが燃料タンクから出され、活性炭を封入したキャニスタと呼ばれる部品に吸着されるようになっています。しかし長時間駐車していると、キャニスタが満杯になってしまい、吸着しきれなかったガソリンベーパーが大気中に排出されてしまいます。今後、キャニスタの容量の大型化や燃料配管のゴム材質が改良された自動車が普及されることで、駐車時のガソリンベーパー排出量の抑制が見込まれます。
タンクローリーからガソリンスタンドの地下タンクにガソリンを荷卸しする際に、地下タンク内からガソリンベーパーが出てきます。このガソリンベーパーをタンクローリー内に回収する設備を設けることで、ガソリンベーパーの大気中への排出を抑制することができます。この荷卸時の対策は「StageⅠ」と呼ばれており、九都県市やその他一部の自治体では、条例などにより、StageⅠを導入することを求めています。